本日もWORDS TO THE WORLDへお越しいただきありがとうございます。
今回のテーマは「英語で食レポ」です。食レポは英語で”Food Review”または”Restaurant Review”と表現します。
先日ある番組でモデル2人が新鮮なマグロの味について一生懸命伝えようとしていました。
「やわらか~い!・・・やわらか~い!!」
と、何か言おうとしても言葉にできない様子に、もう1人の方も「大丈夫!やわらかいのは十分伝わったから」とフォローしていました。やはり食レポは想像以上に難しいようです。
そこで私が思ったのは、海外の人に和食について尋ねられたらどう答えたらよいかということです。
- It’s delicious!
- Yummy!
- It tastes great.
思い返してみると、英語で美味しさを伝える際も「おいしい!」以上の具体的な描写をした経験はないように思えました。
What does Tuna taste like?(マグロはどんな味なの?)
もし、海外の人からこのように質問されたときにどこまで伝えられるのか?今回は、日本語でも難しい食レポの英語バージョンに挑戦したいと思います。英語がもっと好きになるきっかけにしていただければ幸いです。
どうぞ、最後までお楽しみください。
日本語でも難しい食レポ!まずはここから解決
「マグロってどんな風に美味しいの?」
このように聞かれると、えっと・・・と私なら考えてしまいます。
柔らかさ、新鮮さ、とろける感じ、おいしい要素をどのように伝えようか。「海の王様や~」と言ったところで味は全く伝わりません。
そこで、インターネットで「味の伝え方」と調べてみます。
参考になりそうな記事がいくつか見つかりました。
調べた結果、味の表現について以下の事実に直面しました。
- 味を言語化するために大手食品メーカーの味覚担当者は料亭で修行するほど
- 作家が頭を悩ませるほど表現が難しい
- 挙げ句の果てには体験しなければ美味しさは伝わらないとの意見
このように、味を言葉で表現するのは想像以上に難しいようです。
出典:おいしさを評価する用語|日本調理科学会
食レポの難しさを理解し、さらに「マグロ」を選んでしまったことに少し後悔しましたが、良いニュースもありました。
おいしさは次の4つのポイントをおさえると伝わりやすいとのことで、この情報プラス味そのものを表す5つの味覚を参考にして挑戦してみたいと思います。
- 「香り」で表現する(例:炭火で焼いた芳ばしい香り)
- 「食感」を伝える(例:外はさくさく、中はとろとろ)
- 相手が知っているものに例える(例:オレンジの皮の香りがソースのアクセント)
- 「見た目」を伝える(例:中から肉汁が溢れ出す)
- 5つの味覚(甘味、塩味、酸味、苦味、旨味)
「マグロ」のおいしさを日本語で表現
では、寿司ねたの代表「マグロ」の魅力をまずは日本語で表現したいと思います。
- バラのような深い赤とピンクのグラデーション
- 新鮮なマグロは生魚でも臭みは全くない
- 口に運ぶとほどよく冷たくなめらかな食感を感じる
- 噛むと牛肉のようにはっきりとした旨味、そして甘味がバランスよく感じられる
- 2、3度ほど噛むだけでとろけてなくなってしまう
これは先日私が実際に食べたマグロの感想です。先ほど調べた内容を参考に、海外の人でもイメージしやすいように言葉を加えました。
それではいよいよ、英語での表現に挑戦したいと思います。「おいしい」だけじゃない、日本食の魅力を英語で伝えられるようになれば、英会話の楽しさもより深まるはずです。
食レポ結果を英語に変換します
オンライン辞典を駆使して最適な英語表現を探したいと思います。具体的な探し方は、以前こちらの記事でご紹介しましたのでよければご覧ください。
では1つずつ変換していきまます。
1. バラのような深い赤とピンクのグラデーション
つまりこのようなマグロです。
バラでなくてもよかったのですが、深い赤をわかりやすくするためにそう表現しました。
“Raw Tuna looks deep red like roses and gradually changes its color to pink.”
また、念のため生を表す”Raw”を文頭に付け加えています。
2. 新鮮なマグロは生魚でも臭みは全くない
もし私が生魚を食べたことが一度もなければ、生臭いイメ―ジを持つと思います。実際に新鮮なマグロであれば臭みは全くないと伝えることで、安心感を与えようと試みました。
“The fresh tuna has NO fish-like smell.”
3. 口に運ぶとほどよく冷たくなめらかな食感を感じる
口に入れた瞬間舌で感じる、マグロ特有の食感の表現を試みました。
“If you put one slice to your mouth, you can feel its slight coolness and smooth texture.”
4. 噛むと牛肉のようにはっきりとした旨味、そして甘味がバランスよく感じられる
「牛肉のように」と付け加えることで、魚を食べたことのない人でも旨味についてイメージしやすくなるよう配慮しました。
“Once you bite, you will notice its clear flavor(umami)that is similar when you eat beef steak, and perfect balance of natural sweetness of tuna.”
ちなみに、Sushiと同じようにUmamiはそれ単体で通じる可能性があり、オクスフォードの辞典にも掲載されています。
しかし調べてみると、甘味、酸味、苦味、塩味とは違う第五の味と説明されていました。日本人のイメージする旨味とは少し違うかもしれません。
5. 2、3度ほど噛むだけでとろけてなくなってしまう
日本人の感覚ではとろける=美味しいと認識することが多いと思いますが、海外ではどうなのでしょうか。
口の中でとろける(melt in the mouth)という美味しさと食感を表す便利なフレーズが見つかりました。
“It melts in the mouth only by biting twice or three times.”
以上、全ての文章が翻訳できたところで改めてまとめたいと思います。
Raw Tuna looks deep red like roses and gradually changes its color to pink. The fresh tuna has NO fish-like smell. If you put one slice to your mouth, you can feel its slight coolness and smooth texture. Once you bite, you will notice its clear flavor(umami)that is similar when you eat beef steak, and perfect balance of natural sweetness of tuna. It melts in the mouth only by biting twice or three times.
今回は、Delicious!と伝える変わりに、どのように美味しいのか英語で伝える挑戦をしてみました。
果たして通じるのか、次の試みに移りたいと思います。
ネイティブに感想を聞いてみます!
仕上げに、実際にマグロの味を伝え、その魅力が伝わっているかネイティブに聞いてみようと思います。正しい英語や自然な英語を学ぶならネイティブに聞くのが一番です。
確認する方法として、各言語のネイティブが集まって無料で言語を教え合う「HiNative」を利用しました。HiNativeでは、詳細な解説を得るのは難しいものの、以下のテンプレートを使って気軽に質問することができます。
早速、先ほどの英文を掲載し、美味しさが伝わるかどうか、より良い表現方法はあるか問い合わせてみました。しばらく回答を待ちたいと思います。
数分程でネイティブからの回答を受信
質問をしてから数分待つと、ネイティブから次の回答が届きました。
You did “rather well” との事なので、「結構いいじゃん」といったニュアンスでしょうか。味の表現も調べた甲斐がありました。
さらに、不自然な表現についてのアドバイスもいただいています。
マグロについて5つめの表現”It melts in the mouth only by biting twice or three times.(2、3度ほど噛むだけでとろけてなくなってしまう)”、この文章は以下の方が自然だと教えてくれました。
“It melts in your mouth after only biting two or three times.”
このように、親切な人に出会うとプラスαの情報までもらえてとても勉強になります。
HiNativeは無料で利用することができます。英語でどのように表現するか知りたいとき(日本語でも質問できます)、自分の英語が自然かネイティブに見てもらいたいときには、ぜひ気軽に使ってみてください。
使い方についての詳細はこちらの記事にまとめました。
海外の人はマグロの味をどのように表現するのか?
最後に、海外の人はマグロの味をどのように表現するのか?「なるほど!」と感じさせる例をいくつかご紹介したいと思います。
- Tuna is the most “accessible” raw fish.(マグロは生の魚の中で最も「受け入れられやすい」種類だ。)
- It’s firm, not chewy, and has virtually no ‘fishy’ taste; it is much closer to a perfectly cooked piece of steak.(身がしっかりしている一方、噛み切れないわけではなく、臭みもほとんどない。完璧に調理されたステーキにかなり近い。)
- Chu-toro makes me think of a creamy foie gras.(中トロはクリーミーなフォアグラを連想させる。)
- O-toro is so fatty that it verges on succulence.(大トロは脂肪分がとても多く、ほとんど肉汁そのものようなものだ。)
「おいしい」だけでなく、1歩進んだおいしさの表現ができると、英会話もかなり盛り上がるはずです。
今回の記事を参考に、ぜひ日本の魅力的な食の数々を世界に伝えてみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。