英語の発音はセンスだと感じた瞬間~アメリカオレゴン州にて~

本日もWORDS TO THE WORLDへお越しいただきありがとうございます。

今回は私が留学中に経験した「英語の発音はセンスだと感じた瞬間」についてお話させてください。

同じ時期に留学した、ある一人の日本人の英語を聞いたとき、素直に「かっこいい」と感じました。

それが私が発音に力を入れるようになったきっかけです。

あの日のことは今でも鮮明に思い出すことができます。それほど強烈でした。

今から10年以上前、私は大学のプログラムを利用してアメリカオレゴン州に留学しました。

田舎にある大学でキャンパスと食堂以外に何もないような場所で過ごすことになりました。

キャンパス内にはちょっとしたカフェのようなものもありました。大学のスタバをイメージしていただくとわかりやすいと思います。

そこでは、定期的に学生たちによるミニコンサートが開かれてたのです。

ある日の夜そのカフェを訪れました。

「Chill out, what you yelling for…」

誰かが歌っている様子が遠くから聞こえます。現地の生徒でしょうか。綺麗な英語が聞こえてきました。

「けっこう上手だな」

なんて思いながら建物に近づいていきました。

そして中へ入ると

歌っていたのは日本人だったのです。

「Chill out, what you yelling for?Lay back, it’s all been done before…Why do you have to go and make things so complicated?」

その日本人は私と同じ大学から留学した同級生でした。名前はTといいます。

Tの英語の発音は今でも鮮明に耳に残っています。Chill outの「C」、beforeの「f」や「r」・・・

ところで、上の歌詞を見てピンときた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

Tが歌っていたのはこの曲です。

私は衝撃を受けました。英語の発音がネイティブにしか聞こえなかったからです。

顔は日本人なのに声はアメリカ人・・・不思議な感覚でした。

「あの声はどこから出てるんだ!?」

そう感じました。そして、

「かっこいい」

と素直に思いました。それから私は英語の発音に最も力を入れるようになったのです。

 

その後Tとは何度か同じ授業で顔を合わせました。留学中なので、当然授業は英語で行われます。

Tが発言する番になると、私はすかさず耳を傾けました。

「やっぱり上手い」

歌だけでなく普通の会話でも、Tの英語の発音は際立って綺麗でした。私を含め、他の留学生とは比べものになりませんでした。というか、ほぼネイティブでした。

ただ面白いのは、Tは英語が流暢に話せるわけではありません。

どういうことか。英語がペラペラなわけではないけれども、発音が異様に上手なのです。

思い返すと、そんなような子中学のときにいませんでしたか?

クラスでみんながぎこちない英語を発音する中、とても綺麗な発音をする生徒。褒められるはずなのになぜか笑われていましたよね。あのようなイメージです。

Tの発音を聞いたとき、私はこう思いました。

英語の発音はセンスなんだ

発音はセンス、私は今でもそう思っています。

小さい頃から歌が得意だった子どものように、どのように発音すれば英語が綺麗に聞こえるか感覚でわかるTのような人がいるのです。

では、どれだけ頑張ってもTのようには発音できないのか?

それを否定したかった私は、その日から発音が上手くなりたいと、試行錯誤を重ねました。

今思うとくだらないな、とも感じます。どれ程英語の発音が綺麗でも、身のある話ができなければ意味がないのですから。

ただ当時は、単純に「かっこいい」、「同じように発音できるようになりたい」それだけでした。

研究(?)を重ねた結果、どうやら英語の発音にはコツがあることを突き止めました。

英語の発音はセンスだと思っていましたが、そのセンスは練習で埋めることができると分かったのです。

第一に、Tの英語を熱心に聞き続けてわかったこと、それは「声の質」が違うということでした。

なんというか、音が丸いようなイメージです。太く、音程も低い。

なるほど、低い声を出せばいいのかと当初はそう感じました。

確かに今思えば、ネイティブ、特に男性は声が低い人が多かったように感じます。

低い声で英語を発音するのは、一つのヒントになりました。

第二に、やはり「R」と「L」の発音が抜群に綺麗でした。「R」は当たり前、特に「L」の発音が際立っていました。

今、思い出してみると(10年以上前でも鮮明にその発音を覚えています、それほど衝撃的でした)、Tはとてもゆっくり丁寧に英語の音を出しているような感じでした。

「L」の発音というのは、「エ」と言った直後に舌の先端を前歯2本の裏にあてて音を止めると、正しい音が出せます。これをゆっくり、正確に作っている、Tの発音はそのようなイメージでした。

そして第三に、英語特有のその他の発音。例えば、下唇を前歯でそっと噛みながら発声する「f」や「v」の音も抜群に綺麗でした。

このように、なんとかTの発音を手に入れようと自分なりに分析を重ねたのでした。

そして1つ分かったことは、「とにかく丁寧に英語の音を作っている」ということでした。

英語には発音記号があります。その発音記号で示された音を忠実に再現していました。

英語っぽく発音するのでもなく、ただ素直に発音する。

それが英語の発音をマスターするコツです。

以上で、今回の私の思い出話は終わりです。お付き合いいただきありがとうござました。

実はこの話の続きは、すでに記事として完成しています。

タイトルは「他では聞けない英語の発音練習3つのメソッド|英語の発音は技術よりもコツ」です。

私が身に付けた英語の発音に特化した練習法を詰め込んだ1本です。

また、この記事で初めて自分の発音を録音して載せています。ぜひ一度ご覧ください。

最後に、私にとって学生時代の思い出は留学が全てと言っても過言ではありません。

何にもない、アメリカの田舎で過ごしただけのはずなのですが、思い出すのは留学のことばかりです。後に思い返せば、それほど思い出深い時間を過ごすことができました。

留学の話は、折をみて今後もお話したいと思っています。役に立つ話ではないかもしれませんが、少しでも現地の雰囲気が伝わればと考えています。

それでは、また別の記事でお会いいたしましょう。

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