英語のリスニングが苦手な3つの理由|本質にこそ上達のヒントがある

本日もWORDS TO THE WORLDへお越しいただきありがとうございます。

前回の記事では「知っている英語が聞き取れない」をテーマに、その理由とトレーニング方法をご紹介しました。

今回は英語のリスニングが苦手である理由について、もう少し掘り下げて考えてみたいと思います。やはり、原因を突き止めて改善することこそ、上達への近道だからです。

そしてその原因というのは人によって違います。違うというよりも、人それぞれ今直面している段階が異なるのです。

ぜひこの記事を元に、今後の学習の方向性を決める材料にしていただければと思います。

どうぞ最後までお楽しみください。

英語のリスニングが苦手な3つの理由

英語が100%聞き取れるようになる

リスニングが苦手な理由を調べれば調べるほど、これは永遠のテーマなのだと痛感しました。

まず、ドラマでも映画でもニュースでも、ほとんど問題なく聞き取れるようになるには数千時間ものトレーニングが必要です。イメージでは毎日8時間リスニング練習をしても、365日では全く足りません。

当然8時間も時間が取れるはずありませんので、2年3年・・・あるいは10年と練習を続けてやっと自信が持てるようになります。

それでもわからない英語は出てくる。特に映画で使われる英語は、登場人物の出身や時代背景に大きく左右されます。

この事実は一見希望が遠のいていくように感じます。英語に強い思い入れがあるならまだしも、そんなにも長い年月をかけて練習し続けなければ真の自信は手に入らないのです。

しかし、良い意味での諦めにもなります。「英語のリスニングが苦手」と人は1日何時間リスニングに充てているのか。最低でも1000時間は取り組んだのか。

ちなみに調べた中で参考になった、リスニングを上達させるために必要な練習時間の目安は1ヶ月50時間です。1日1時間30分強です。この程度の時間であれば隙間時間を使って取り組めそうですが、まずはリスニング上達のためには最低限の練習時間が必要と知ることは非常に重要です。

これを踏まえて、リスニングが苦手な3つの理由についてお伝えします。数ある中でも、本質的なものだけを選びました。

理由1:語彙力不足


これが全てだと私は思います。

よく「単語を知らなくても文脈から推測すればいい」と言われます。確かに知らない単語があっても、その後の英語を聞いていて後から意味が理解できることもあります。

では推測するために何が必要なのか考えると、やはり語彙力です。そうであれば、始めから全ての単語の意味を知っている方が話は早いです。

語彙力を確認するウェブサイト「Test Your Vocab」が実施した調査によると、ネイティブスピーカーの語彙力は13歳の時点で既に20,000語に到達し、成人する頃に25,000語を突破します。

一方、日本人が高校卒業までに学習する単語数は3,000語程度、ネイティブと比べていかに少ないかがわかります。

事実、私の場合ドラマなどを見ていて聞き取れなかった箇所をスクリプトで確認すると、やはり知らない単語や慣用句が含まれていることがほとんどです。

前回の記事でお伝えしましたが、単語の意味を知っていてさえ聞き取れない場合もあります。少なくとも語彙力をできる限り強化しておくことは、英語を聞き取るための大前提と言えます。

理由2:その英語は読んで理解できるか?


英語が聞き取れない箇所が見つかればスクリプトで内容を確認します。もしそのときに読んでも理解できなければ、耳で聞いてわかるはずがありません。

それよりも気をつけたいのは、どの程度のスピードで読めているかです。例えば、1度文章を読んで意味がわからず、再び読み直してやっと理解できる。このような状態であれば、リスニングでは必ず置いていかれます。

このように考えると、リスニングとリーディングには深い関係があると実感します。豊富な語彙力ですらすらと英語が読めることは、耳で聞いたときの理解度を格段に引き上げる助けになるはずです。 

少なくとも英語を読んだときに文の頭から順に理解できているか。リーディングでは返り読みができてしまうのですが、リスニングだと必然的にそうはいきません。実践を想定して英語を理解するトレーニングが大事だとわかります。

理由3:集中力切れ


日頃から長い英文を聞く練習をしていないと、いざ聞いたときに途中で集中力が切れてしまいます。本来であれば聞き取れたはずの英語も、少し油断した隙に聞き逃してしまうことはよくあります。

そこで、普段使用しているリスニングの教材にある程度長い文章も含まれているか確認してみてください。中には、短い会話文のみ収録されているケースも考えられますので注意が必要です。

私の体感ですが、1つの会話が2分以上になると結構長いなと感じます。それがもし知らない英語ばかりが含まれていれば、集中して聞きつづけるのにかなりの体力が必要です。

語彙力の強化だけでなく、長い英文に慣れる練習も重要です。

原因を突き止めてトレーニングに活かす

リスニングが苦手な理由は細かく見ればさらに多く挙げることができます。例えば、LとRが聞き分けられない、THの音が認識できないなどです。

その他にも、会話の背景の理解不足で聞き取れないという理由もありました。しかし、これを言ってしまえばニュースを始め、背景知識のない英語は全て聞き取れなくなっていまいます。だからこそ、少しでも多く英語を理解するために語彙力が必要なのです。

どこかで「日常英会話はThe Oxford 3000に収録されている英単語だけで十分」と聞いたことはないでしょうか?The Oxford 3000とは、英単語の中でも最も重要とされる単語だけを3000個、言語学者や教育者らが厳選したリストです。リストはオンライン辞典「Oxford Learner’s Dictionaries」でご覧になれます。

これについて、確かに「スピーキング」においては、わざわざ難しい言い回しを使う必要もないため3000語あれば十分過ぎる程です。しかしこれがリスニングとなると、やはり知っている語彙数は多いに越したことはありません。

再度になりますが、ネイティブスピーカーの語彙力は二十歳の時点で25,000語近くまで到達します。

出典:Test your vocab

そのネイティブスピーカーに向けられた英語音声を聞き取るには、相当な語彙数が必要だとわかります。

さらに、「英語のリスニングができない意外な理由【「知っている」は「聞き取れる」ではなかった!】」でお伝えした通り、単語を知っていても聞き取れるとはまた話が違うのです。

今回は英語のリスニングが苦手な理由として、本質的なものだけを厳選して掲載しました。わかったのは、まず第一に語彙力強化の重要性です。

聞き取れない英語と出会ったとき、一にも二にもその英語を知っているかどうか確認する。それが全ての始まりです。

ぜひ参考にしてみてください。

追記:中学英単語が無料で学習できるアプリ

中学で習う英単語がクイズ形式で復習できるアプリをご紹介します。リスニング上達には語彙力が必須なのですが、少なくとも中学レベルの単語は完璧にしておきたいものです。

意外にも忘れてしまっている単語も発見できますので、ぜひ1度使ってみてください。アプリについて詳しくはこちらの記事でどうぞ。