英語のスピーキング練習を1人で行う「最も」簡単な方法


本日もWORDS TO THE WORLDへお越しいただきありがとうございます。

実践が大事だとわかっていても、できる限り万全な状態で英会話に挑戦したいですよね。今回は「英語のスピーキング練習をたった1人で行う方法」をお伝えしたいと思います。

方法といっても、実施する内容は拍子抜けしてしまうほどシンプルです。とても地味な練習であるため、案外取り組んでいる人は少ないかもしれません。

だからこそ、この記事を読み終えたらすぐにでも練習を開始していただければと思います。実践を見据えた基礎固めに最適なトレーニングです。

どうぞ最後までお楽しみください。

代表的な練習方法の問題点

一人で英会話の練習をする方法は様々なアイデアが紹介されています。中でも「独り言をいう方法」はよく紹介されているので聞いたことがあるかもしれません。

確かに、今考えていることや見えている景色を英語で言ってみるのは良いアウトプットの練習になると思います。しかし、実際私が試して分かったのは「ものすごくつまらない」と言うことです。

そのつまらなさは実践するとすぐにわかります。強い志がないと継続は難しいでしょう。

もう一つ「自己紹介の練習や日常会話に頻出するQ&Aに回答する」という方法もあります。これは私も役に立つと思います。

英語で交流を始めれば必ず自己紹介から入りますし、「あなたの趣味は?」「どんな街に住んでいるの?」など聞かれそうな質問に回答していくのは実践にも役立ちます。

この練習方法は別の記事まとめました。質問のサンプル集や作成した回答の添削を無料でネイティブから受ける方法を紹介していますので一度ご覧ください。

ただこの方法に関しても問題がないわけではありません。それは、一定水準の英語力が既にあることを前提にしている点です。

自己紹介でも質問の回答でも最低限の英語力がなければ難しく、モチベーションを下げる原因になりかねません。

そこで今回お伝えする練習法の出番です。現在のレベルがどうであれ今すぐに開始できます。

実力ゼロでもできる!スピーキング練習をたった1人で行う方法

英語は継続が全てです。そのためには学習方法はシンプルでなくてはなりません。モチベーションに頼るのではなく、淡々と続けられるのが理想です。

そこで、是非今日から始めたいのが「レシテーション」です。

recitation

[countable, uncountable] an act of saying a piece of poetry or literature that you have learned to an audience
We were entertained with songs and recitations.

出典:Oxford Learner’s Dictionary

つまり音読です。

「なんだ・・・」と思いましたか?しかしこれが語学学習の王道であり、だからこそ今一度見直してみることを強くおすすめしたいのです。

書店に「1週間で英語がペラペラになる方法」と「音読の技法」と2つのタイトルが並んでいた場合、多くの人はペラペラになれる本を手にすると思います。

しかしもし本当に短期間で英語をマスターする方法があるとすれば、音読をひたすら繰り返すことかもしれません。音読はそれほどに取り組む価値があります。

音読でスピーキング練習をするなら、得られるメリットを知っておくと行動へもスムーズに入ることができます。まずは音読によってどんな技術が身につくのかお伝えしたいと思います。

トレーニングで身につく技術

音読によって得られるメリットは語彙力や文法力に留まりません。当然、英語スピーキングの練習にもなりますし、教材のCDに倣って発音に意識を向ければ発音の技術まで向上します。

それに加えて、音読には「リスニング力を高める効果」もあるのです。これには驚かれるのではないでしょうか。

音読を繰り返すと返り読みの癖が解消されます。日本人が英語を読むとき、文の途中まで読んでまた頭に戻って読み直す、いわゆる返り読みをしてしまうことがあります。これは、頭の中で日本語に訳そうとするために生じます。

しかし音読では、必然的に頭から意味を理解していかなければなりません。同時に返り読みのように意味を取るのは不可能です。

当然、リスニングでは英語が耳から聞こえた順に意味を理解します。音読によって頭から理解する習慣を身につけておけば、そのままリスニングにも応用できるのです。

トレーニングにおける2つのポイント

音読は英文を声に出して読み上げるだけなので、今すぐにでも始めることができます。ただ、実践においてポイントが2つあります。

まず音読は意味を理解している英文で行います。決して、意味が分からない文が音読するうちに理解できるわけではありません。

辞書や日本語訳を確認し、文法も一通り理解した上で英文を音読することがポイントです。

もう1つ、実践にいち早く役立てるなら正しい発音も確認しながら音読すると効果的です。スピーキング力と合わせてリスニング力向上にもつながります。

この点においては、音読で使う教材はネイティブの音声が付属しているものをおすすめします。

教材選びに迷ったら?

私は今オーディオブックと呼ぶ、洋書の朗読を耳で聴いて英語学習しています。リスニングのトレーニングになるだけでなく、書籍の内容も身につくのでとても気に入っています。

そこで私は1冊のオーディオブックを電子書籍でも用意し、音読用として活用する予定です。重複はもちろんありますが、その書籍には59,072wordも収録されていますので、単純に相当な語彙力が身につくと期待しています。

これと合わせて、中学の教科書も音読用として加えています。


中学の教科書には、英語の基礎中の基礎が詰め込まれています。しかも教科書の内容は、大勢の有識者によって厳格に監修されています。

この基礎を音読によって身体に刻むことは、より高度な英語を身につける際に必ず役立ちます。練習前のランニングのように、今どのレベルにあろうと取り組む価値があります。

ということで、音読の教材が決まってなければ中学の教科書がおすすめです。

シンプルがゆえの難しさ

音読は理解した英文を声に出すだけととてもシンプルです。だからこそ、ある程度繰り返したところで「これ以上繰り返して意味があるのか?」と、音読の本当の凄さを知ることなく止めてしまいます。これがシンプルがゆえの難しさです。

今回は1人でできるスピーキング練習と題して音読を紹介しましたが、その効果は英語の総合力の底上げにつながります。テキストを1つ決めたら、ぜひ少なくとも暗唱するまでは音読を繰り返してみてください。

最後に、「只管朗読」の提唱者である國広正雄氏が言う、音読の十段階を紹介して今回の記事を終えたいと思います。音読する過程の到達目標として参考にしていただければ幸いです。

第一段:只管朗読の必要に目覚め、テキストを決める

第二段:テープを聴くと同時にテキストの一通りの意味を理解する

第三段:単語レベルでの発音が一通りできるようになる

第四段:途中でつっかえずに、曲がりなりにも最後まで発音できる

第五段:構文的な切れ目と音読との関連が理解できる

第六段:日本語訳に頼らずに意味が文の先頭から自然にとれる

第七段:イメージが生き生きと実感できる

第八段:朗読していて、自然と楽しさが感じられる

第九段:テキストの例文の応用可能性にどんどん気づく

第十段:自分の英語力が広がっていく可能性を実感できる

出典:國広流 英語の話しかた

最後までお付き合いいただきありがとうございました。