本日もWORDS TO THE WORLDへお越しいただきありがとうございます。
最近になって「自然な英語とは何か」について追及したくなりました。
英語学習者にとって自然な英語の習得は永遠のテーマだと思います。Japanese Englishではありませんが、どれだけ流暢に話せても、ネイティブの英語とはどこか違う。
少しでも近づけるにはどうしたらいいのか?
それについて、今回考察してみたいと思います。
日本人とネイティブの感覚の違い
ネイティブの英語を見たとき、あるいは聞いたとき、「意味は分かるけど、自分だったら使えない」と感じることは多くあります。
語彙力の差、感覚の違いなど様々な要素はあると思います。ここでは、私が「ネイティブの英語はやっぱり違う」と感じた実例をいくつかご紹介します。
1.過不足なく感情を表現する的確な語彙
次の英文をご覧ください。
“I didn’t appreciate flowers and flowering trees until I lived in Japan. Now I love to go to gardens.”
アメリカ人の友人の言葉です。私が彼に伝えた”植物園で見た花が綺麗だった”という言葉に対する返事です。意味はこうです。
「日本に住むまでは花や花樹の良さがわからなかった。今は植物園に行くのがすごく好きだ。」
日本語にしてしまえば何でもない文章なのですが、もし私が逆の立場だったら英語appreciateを使えたとは思えません。
最初にこの文章を見たとき、「花に感謝する?」と違和感を覚えました。実際、私にとってappreciate=感謝するとしか記憶してませんでしたし、実践の場も「I really appreciate it(感謝します)」の意味だけで使ってきました。
その後、appreciateを英英辞典で引くと「to recognize how good something/somone is(物や人の良さに気づく=ありがたみがわかる) 」とありました。これで、友人の意味することがはっきりと分かりました。
そのような場面が訪れた際には、私もappreciateを使うことができると思います。
余談ですが、「大切なものは失ってから気づく」という言葉がありますが、appreciateは人も対象とすることから、この場合にとても適しているのではと感じます。とその矢先、正にそれを表現する一文を見つけましたので引用します。
You Don’t Appreciate Her Yet But You’ll Regret It When Someone Else Does.
2.過去に使ったこともない英語表現
先日、次のメッセージが届きました。
“Not only will the message be more clear, it will likely make her feel more special too.”
このような英語を見ると、ネイティブの英語との違いをはっきり見せつけられたような気分になります。
倒置と呼ばれる文法を使うことにより、文章の意味がより強調される効果があるのです。
今回の英文を日本語にすると次の意味になります。
「メッセージが明確になるだけではなく、彼女を特別な気持ちにもさせるはずだ」
これだと感情があまり伝わってきませんが、倒置法を用いることで「驚き(強調)」の感情を含むことができるのです。
調べたところ、文語に限らず口語でも自然に使うそうです。このような英語をスムーズに使うことができたら、ネイティブの英語にかなり近づくだろうなと感じます。
YouTubeに倒置法を詳しく説明した動画がありましたので掲載します。
英語音声ですがスクリプトもあるため、「わかりやすいだけでなく、英語の勉強にもなります」
アメリカの友人からのアドバイス
10年来のアメリカ人の友人がいます。
彼とのメールを読み返すと、自然な英語を覚えるにはどうすれば良いかと過去に何度か尋ねていました。
彼の回答はこうでした。
“I don’t think it’s possible to be perfectly accurate and natural sounding because of differences in the languages.”
前提として、日本語と英語の言語の違いから、完全に正しく自然な英語を使うのは不可能だと彼は言います。
そこで、私は少しでも自然な英語が使えるようになるためには、どのような勉強が効果的か聞きました。
こちらが彼からの回答です。
” you should work on getting better. I think reading more would help. Yes, you can read news, but it might be boring. You could actually read some fun books in English.”
彼はリーディングが効果的だとアドバイスします。ただ、ニュースは退屈だろうから何か楽しいと感じる英語の本はどうかと提案してくれました。
そしてこのように続けます。
“I guess you know Higashino Keigo because he’s one of the best selling authors in Japan. I liked his book called “The Devotion of Suspect X” in English. My friend recommends his short story collection “After the Quake”.
With Japanese authors, it could be interesting though. You could even have the Japanese version at the same time, to see how the translator decided to do the translation.”
彼は、東野圭吾など日本で有名な人が書いた本を英語で読むと良いとアドバイスします。読み物としても楽しめますし、日本語版との比較によってどのように英語に翻訳されているか学ぶことができるからです。
以上、自然な英語を学ぶための1つの方法についてご紹介しました。
確かに書籍を日本語版と英語版で読み比べるのはとても効果的と感じます。同じことをニュースでもできますが、意外にも面白さはとても重要ですので、やはり本が良いですね。
参考にしてみてください。
「自然な英語」の習得に向けて
ネイティブのような自然な英語を使えるようになるには、おそらくかなりの時間が必要でしょう。もしかすると無理なのかもしれません。
しかし時間をかければ、より自然でネイティブと比べても遜色ない英語に仕上がっていくと私は思っています。
発音もそうです。英語を学び始めた頃は録音した自分の発音を聞いて、ネイティブのように発音するのは無理だろうと思っていました。それでも、時間をかけて練習と改善を繰り返す内に、段々と近づいていききました。
発音については、こちらの記事で詳しくお伝えしています。
他では聞けない英語の発音練習3つのメソッド|英語の発音は技術よりもコツ
今後、「自然な英語」の習得に向けて役に立つ情報があれは積極的に共有したいと思っております。今後の記事に、乞うご期待ください。