「英語が話せるバカ」という言葉の真意について

本日もWORDS TO THE WORLDへお越しいただきありがとうございます。

バカでも英語は話せる
英語が話せるバカ

このような言葉を聞いたことはありませんか?

まるで英語を学ぶ者のやる気を叩き壊すような言葉ですが、今回はこちらについて私の考えを述べたいと思います。

実は、私が英会話に慣れてきた頃、この「バカでも英語は話せる」という言葉の真意を身をもって感じました。英語よりも大事なことがあったと痛感した瞬間でした。

今回の記事は、特に今英語を身につけつつある人にこそ読んでほしいと思っています。近い将来、英語に対する自信がついたとき、仲間と過ごす時間がずっと豊かになるはずです。

それでは、最後までお楽しみください。

どうすれば英語が話せるようになるのか?

世の中には無数とも言えるほどの英語教材があります。中には、数万数十万と費用のかかる教材やスクールもあります。

にもかかわらず、世界と比べると日本人の英語力は以前低いままです。


出典:EF EPI「世界最大の英語能力ランキング」

一体どうすれば英語が話せるようになるのか?

このことについて、私はこう結論づけています。

話すトレーニングをする

たったこれだけです。英語が苦手、英語が話せないと悩む人は「英語で話している時間(量)」を見直す必要があります。

英語は音楽やスポーツと似ています。プロのピアニストは毎日最低3時間練習すると聞いたことがありますが英語も同じです。

実際に学生の頃は私も毎日3時間以上英語で話す練習をしました。前回思い出せなかったりつっかえてしまった英語が今回は上手に話せる、でも英語が思い浮かばない言葉もある。

このような毎日を繰り返していると、本当に少しずつですが日本語を英語に変換することに慣れてきます。そしてその変換は次第に早くなり、最終的には日本語を介さなくても英語で直接考ることができるようになります。

練習が多いほどこの過程はより短くなります。だからこそ、英会話の上達はトレーニングの量次第なのです。

日常英会話に必要な語彙数

次に、日常英会話で必要な語彙数について私の考えをお伝えします。よく2000語と言われたりしますが、私の感覚では1000語もいらないのではと感じています。

英会話に慣れてくると、言い換えが上手になってきます。例えば、上達する(improve)という単語が思い浮かばなければ、良くなる(get better)と言い換えます。これで会話が途切れてしまうことはありません。言い換えは、まさに英英辞典の解説部分で会話をつなぐイメージです。


出典:Oxford Learner’s Dictionaries

また、似たような意味を持つ単語は1つに絞って使うことも、より早く英会話を上達させるためには大切です。

例えば、英語で「大きい」を表す言葉はbig、large、huge、giganticなど様々です。これをbigに統一してしまうということです。単語を覚える負担が減らせるだけでなく、同じ言葉を繰り返し声に出すので定着率も高くなります。

ちなみに、言語交換アプリを使って10ヶ国語習得した秋山耀平さんは、著書「純ジャパの僕が10カ国語を話せた 世界一シンプルな外国語勉強法」の中で次のように述べています。

日本語から逆算し、実際に使う可能性が高い単語・表現を選定するだけで、あなたの外国語学習は超効率的になるでしょう。

(中略)

その数は、単語で200ほど、表現で30ほど。初めて会話に臨むときは、最低限これだけを覚えておけば「溺れる」ことはありません。

実際に本書に収録されている全リストを見ると、日常会話で「必須」の英語だけに絞り込まれています

確かに、apple(りんご)やtable tennis(卓球)といった使う頻度の低い英語よりも、How are you?(調子はどうですか?)など会話に必要な英語を優先的に覚える方が実践的です。

ちなみに、言語交換アプリとは「HelloTalk」です。無料で世界中の人々と交流できるのでとてもおすすめです。

HelloTalkについて詳しくはこちらの記事をご覧ください。

「英語が話せるバカ」にならないために

英会話のトレーニングを続ければ、自ずと上達は実感できるはずです。やはり大切なのはトレーニングの量です。

私が学生のときは、塾にも通わず、何のノウハウもないまま、ただがむしゃらに英語で話す練習をしました。こんな方法でも、次第に英語でのコミュニケーションに慣れてきました。元々英語で話すなんて想像すらできなかった世界です。自分の成長をとても嬉しく感じたのを覚えています。

しかし、ある日重大な真実に直面します。そろそろ英会話にも自信がついてきたと感じていた頃です。

この真実こそ、冒頭の「英語が話せるバカ」の意味を如実に表すこととなります。

「話すことが何もない・・・。」

私は、交換留学生として来日したアメリカ人の友人を日本の様々な場所へ連れて行きました。友人は東アジアの歴史を専攻していたため、城や寺院など実物が見られることにとても興奮していました。

すると当然質問が飛んできます。歴史に限らず、ファッションや都心の景色、歩けないほどの人の数。初めての日本はとても刺激的だったのでしょう。あれは何?これは何?と目にする全てについて質問します。

英語ができても、話すことがない

このとき私は痛感しました。当時の私は物事に対しあまりにも無関心で、友人の質問にほとんど答えることができませんでした。

英語は練習した分上達します。しかし、会話の素材となる知識や経験がないことにはどうしようもありません

今、英語を学び始めた当時を振り返ると、これは盲点だったと感じます。ただただ英語で話せるようになることに必至で、「では、英語で何を話すのか?」という本質については全く意識していませんでした。

もちろん、英語を通じて良い友人関係が築けたり、ときには口喧嘩したりできるようになったのは、練習の成果だと感じています。互いの趣味について英語で語り合う時間はとても価値あるものです。

ただ、最初から英語を習得したその先を見据えて練習していれば、もっと豊かな会話ができたのだろうとも感じます。

おすすめは日本の魅力を英語で紹介

英語で話すと聞くと、私はどうしても「日本の紹介」を連想してしまうのですが、やはり海外の人に向けて日本の魅力が伝えられるのはとても有意義ではないでしょうか。

現に海外の人とチャットを通じて話すとき、神社や寺など日本ならではの写真を送ってあげると本当に喜んでくれます。また、相手が日本食が好きな場合も、会話が盛り上がる瞬間です。

日本を紹介するためには、英語力以前に日本についての知識がなくてはなりません。そしてその知識を得るためには、自分自身の興味が必要です。

「英語が話せるバカ」と聞くと、なんだか英語が話せても意味が無いように感じてしまいます。しかしその本質は、英語を使って何を伝えるかという、言語としての本来あるべき姿を示唆しています。

今回は、英語を身につけたとき、世界中の人々と幅広い知識と経験について共有できるよう意識しておくべき大事な点をお伝えさせていただきました。

参考になれば幸いです。